殆どの釣り魚は刺身で食べることができます。
先ずは持ち帰った魚を下拵えしました。
3枚卸しや、5枚卸しした切り身を刺し身にしていくわけです。
卸した後の切り身でそのまま刺し身を作ることは十分可能ですが
端の方が乱れていたり、尻尾のほうに筋があったりで
刺し身にする前に少し形を整えたほうが良い場合があります。
大型のブリやサワラなどの場合は
まだ血合い骨が残っていたり
厚さの差があまりにもありすぎる場合もありますので
厚さを整えたり、形を整えたりするわけです。
これを冊取りともいいます。
魚屋さんで売っているマグロや、ハマチ、鯛などを思い浮かべてみてください。
こうしたサクと呼ばれる状態のものを刺し身に切り分けていくわけです。
この切り分け方は大きく分けると2通りあります。
平切りと削ぎ切りです。
平切りというのは、赤みの魚や白身でもブリ、サバなどの脂の多い魚に適している切り方といわれます。
白身の魚でも平切りでも十分食べることができますから、
先ずは平切りから。
平切りは、サクの右側からまな板に対して垂直に切っていき、
切り身は庖丁で右に寄せていきます。
切り身の厚さは1cm弱。
好みで良いと思います。
魚の身には筋がありそれを断ち切るように置いて切るのが良しとされます。
刺し身庖丁の刃が長いのは引き切りで切ることを前提に作られているからで、
そのためサクをまな板の手前のほうに置いて切るほうが
まな板に手が当たらすスムースに切ることができます。
また、ハマチなどのように丸い体型をした魚の場合、
サクの厚さが一定でないものもあります。
そうした場合は、奥側に厚いほうを置いてきると切りやすいです。
写真は、私の釣ったハマチ、タチウオ、鯛、アオリイカを平切りで刺し身にしたものです。
奥さんとの2人前くらいならこうしたお皿に1人前ずつ盛り付けますが
大勢の場合は大皿にたくさん盛ることになります。
見た目より量が大事です(^^;
素人が切るので、切り身の大きさが一定にはなりませんが、
本職の人たちは魚の幅が狭くなるのに合わせて切り口を斜めにしていき、
切り身の大きさが揃うように切るそうです。
今度は是非、挑戦してみます。
白身の魚は削ぎ切りする方が一般的です。
削ぎきりの場合は冊の左側から切ります。
左手で身を抑え、包丁は寝かせて筋に沿って包丁を入れます。
冊を抑えている左手の指を下を通るように切っていき
切り終わった身は左手で皿においていくわけです。
包丁を寝かせて切りますので、
切り口は広くなりますから 身の薄い魚に適しており、
切り身が薄いことから 身の硬い魚に適しています。
下の写真は、鯛の削ぎ切りを使ったカルパッチョ、
平切りの鯛の刺身、そして鯛の皮の湯引きのポン酢和えです。
その他に削ぎ切りにする魚としては、ふぐ、ヒラメ、コチ、カワハギなどが挙げられます。
この削ぎ切りより皿に薄く切るものが薄造りです。
この薄造りは、削ぎ切りより更に難易度は高くなります。
テッサに代表される薄造りですが、コチ、ヒラメなども薄造りされる魚です。
切り方は削ぎ切りと同じ手順で切りますが、
向こう側が透けて見えるくらい均等に切るにはかなりの熟練が必要です。
お皿に貼り付けるとき端を少しおったり、
花びらに見えるように飾ったりした薄造りは見た目もきれいで食べて
美味しいですから2度楽しめます。
白身の魚だけでなく、ブリのしゃぶしゃぶ用の切り方もこの薄造りです。
今度、ヒラメかコチが釣れたら試してみたいと思っています。