釣魚の煮付け

煮物全般を指す言葉である「煮つけ」は 魚の調理においても代表的な調理法の一つです。

料亭などの高級店から、街の定食屋さん、各家庭でも調理されるメニューです。

魚の種類だけでなく、お店の味、家庭の味が現れる調理法でもあります。

料理言葉の定義としては「魚介類、野菜類を甘辛い濃い味に煮たもの」だそうです。

私達も白いごはんがしっかりと食べることのできる料理として馴染みの深いおかずだと思います。

 

 

釣魚は活きがよく、熱を通すと身がはぜますし、
煮込みすぎると身が固くなりますから、
ふんわりほこほことした食感の煮つけを楽しむには結構コツがあるようです。

 

釣魚で煮つけを楽しむことの多いのは、
メバル、カサゴ、イワシ、カレイ、鯛、鯖などでしょうか。

姿のままにつけたり煮つけたり、
​切り身にして煮つけたりさまざまな魚の煮付けが楽しめます。

 

煮付けの手順

魚の種類、大きさによって多少異なりますが、
魚はエラ、内臓、鱗を落とし、綺麗に掃除しておきます。

 

姿煮にする場合は、お皿に盛るとき左側に頭、
手前に腹が来るように盛り付けるのが基本です。(カレイの場合は逆になります)

上になる身に切れ目を入れて、火のとおり、味のしみこむ道を作っておきます。

 

一度にたくさんの魚を煮付けるのでなく、
他の魚にくっつかないようにして煮ることが大切です。

 

煮魚の場合は10分程度で出来上がりますので
料理屋などでは1尾ずつ煮付けるお店が多いようです。

 

 

魚に布巾などをかけお湯をかけて残っている鱗や汚れを丁寧に落とします。

この時、皮が剝けないようにやさしくすることが大切です。

 

煮付けの汁は 酒、みりん、醤油、水となります。

水を使わず煮きったお酒だけや、出汁を使うと深みのある煮つけになります。

料亭などでは、最初からこれらをあわさず、煮付ける途中で加えていっていますが、
家庭料理では先に煮付ける汁を作っておいて、
鍋にかけ、沸騰してくる手前で魚を入れれば良いですね。

 

お皿に盛るときに煮汁をかけて完成ですが、
この時ちょうどなくなるくらいの煮汁の量というのが難しいです。

 

料理屋さんでは、見習いさんが匙で煮汁をすくい、
魚の上にかけている光景を見かけますが 家庭ではそこまで手間を掛けられない場合もありますね。

火を通し、味を染みこませるために魚がヒタヒタになるくらいの煮汁を作り、
魚を入れたら落し蓋をし、強火で煮ます。

落し蓋の端から泡立つようになれば、少し火加減を落とし、
10分程度煮れば十分火は通っているはずです。

 

余った煮汁は捨てるにはあまりにももったいないです。

私は、ゴボウや豆腐を一緒に炊いたり、
茹でたそうめんを絡めたりして最後まで楽しんでいます。

汁を少なくすると、もう一つの厄介ごとが焦げ付き。

この対策としては煮笊を利用すること。

この煮笊を利用すると、鍋から魚を取り出すとき、
身崩れせず取り出せるという優れものでもあります。

 

 

 

その他、煮魚のバージョンとしては様々ありますが、
家庭で作るものをいくつかあげておきます。

 

生姜煮

普通の煮付けのときでも、生臭さを消すために生姜を入れて作ることもありますが、
生姜煮はその生姜をたくさん使って料理します。

 

辛煮とも呼ばれていますね。

 

生姜には殺菌効果があり腐りにくくなることは知られています。

そのため調理後ある程度保存の効く料理となります。

代表的なものとしてはイワシの生姜煮でしょうか。

 

生姜はせん切りにしておきます。

イワシはうろこ、頭、内臓を取り、小さいものであれば、
そのまま、大きいものであれば一口サイズに筒切りします。

 

まず最初は下茹でです。

 

他の煮物でも骨まで柔らかくするためにはこの下茹でを行います。

生姜煮ですから、最初から生姜を入れて下茹でします。

鍋にイワシ、生姜を入れ、水と御酢を1:1の割合で
イワシがしっかり浸かるくらい入れます。

強火で沸騰してきたらあくを取り、落し蓋をして弱火にして、
煮汁がほとんどなくなるまで火にかけます。

これで下茹でが完成です。

 

釣魚ではありませんが、さんまもこの要領で下茹ですると骨まで柔らかくなります。

 

続けて調理する場合は、この鍋に
お酒と醤油を1:1で下茹でのときと同じくらいの分量をいれます。

ここで、出汁を加えると日持ちしなくなります。

 

最初は強火で沸騰したら弱火で煮汁が殆どなくなるまで煮込んでいきます。

 

これで完成、骨まで柔らかく食べることができます。

 

 

酢煮・梅煮

酢や梅干には、臭みを取り、骨や身を柔らかくする働きがあることが知られています。

また、口当たりをさっぱりとしてくれる働きもあります。

先ほどの生姜煮の下茹でにお酢を使ったのもこの働きを十分に引き出すためです。

 

煮付けをする青魚や磯魚では、臭いを気にする方もいらっしゃると思いますので、
その場合は煮汁に梅干を加えると良いでしょう。

 

煮汁は、出汁、酒、みりん、醤油と梅干(種を取り、庖丁で刻んでおく)を合わせます。

 

鍋でこの煮汁を沸かし、煮付けの要領で、短時間で仕上げましょう。

 

イワシ、サンマなど骨まで食べたいのであれば、
生姜煮でご紹介した下茹でをしておくと良いでしょう。

 

私は、生姜煮の時に、ショウガの量を少し減らし、梅干を使うこともあります。

 

 

揚げ煮、おろし煮

あまり、ポピュラーではないかもしれませんが
サビキ釣りでイワシやアジ、投げつりでキスやハゼなどが
たくさんつれたときのバリエーションとして使います。

 

南蛮漬けとよく似ていますが、煮物となります。

 

小魚のエラ、内蔵、頭を処理します。

一口大に輪切りします。

小麦粉(片栗粉)をまぶし、170度~180度の油で揚げます。

色の目安は狐色。

 

鍋に煮汁(酒、みりん、醤油、出汁を1:1:1:2)、
​味は好みで砂糖を加えたり、醤油を足したりしてください。

 

この揚げ煮によく似た煮物で、
だし汁に大根おろしを加えて煮るとおろし煮になります。

この時は、煮汁の出汁の量をもう少し増やしてもよいですね。

大根を入れることで油っぽさを消すことができます。

 

揚げた魚を使った料理に南蛮漬けがありますが
漬け出汁に付ける料理ですので、煮物ではありません。

でも美味しい釣り魚の料理であることには変わりないですね。

 

私は、揚げ煮をするために揚げ物をすることはありませんが
アジフライや、いわしフライが残った次の日に
この煮出汁にフライをいれて煮込み溶き卵を入れて
丼をつくったりします。

 

その他にも、魚の煮物料理はありますが、
家庭料理、釣り愛好家の料理としては少し専門的になります。

 

興味のある方は、調べてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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